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食品物流の変革にテクノロジーの活用を 食品物流の3つの課題と改善に向けた企業の取り組みを紹介!

2024/10/04

食品物流トップ

コラム

昨今の食品物流業界は2024年問題による労働力不足の問題をはじめとし、厳しい品質管理や小ロット多頻度輸送への対応、物流コストの上昇等多くの課題を抱えており、課題解消に向け早急な対応が求められています。当記事では食品物流業界の特徴や課題、それに対する企業の取り組み等について弊社システムを活用した事例を交えてご紹介します。

食品物流業界の特徴

食品物流とは、食品を生産地から消費者に届けるための一連の流れのことを指します。
一般的に、食品物流では「常温・冷蔵・冷凍」の3温度帯の中で最適な温度帯へと商品を分け、厳密な管理のもと保管や配送が行われます。どの品目の物流においても荷物の保護や取り扱いには十分な注意が必要とされますが、食品物流の場合にはそれに加えて品質を守るための厳重な温度管理や日付・時間管理が求められるのです。また、鮮度維持の点から受注から納品までのリードタイムが短く、小ロット多頻度輸送が多いといった特徴もあります。
さらに、食品物流では衛生面や荷量のサイズから手積みや手降ろしなどの手荷役作業が多くなる傾向にあり、この荷役作業がドライバーの長時間労働を招く一つの要因となっていることが問題とされています。
このように、食品物流は一般的な物流と比較してより細やかな作業や厳重な管理が必要とされるため、高い業務負荷が課題となっており、さらに昨今の物流需給のひっ迫から将来的に商品が運べなくなる可能性も危惧されています。
次項では、このような特徴を持つ食品物流業界の課題を3つにまとめてご紹介します。


食品物流 画像1

食品物流業界の3つの課題

食品物流業界の主な課題としては、「2024年問題による労働力不足」「コールドチェーンの維持」「コスト管理」の3つが挙げられます。

①2024年問題による労働力不足

2024年4月の「働き方改革関連法」の施行により、労働時間の上限が従来よりも厳しくなったことで物流業界の労働力不足はさらに深刻化するとされており、輸送能力の大幅な低下へとつながることが危惧されています。こうした「物流2024年問題」への対応は荷主も含めた物流業界全体の大きな課題となっていますが、食品物流は特に切迫した事態にあるといわれています。


食品物流 輸送形態

農林水産省が2024年7月に公表した「食品流通をめぐる情勢」の資料によると、農産物や食品はトラックによる輸送が96.5%を占めており、物流事業者の負担が多い品目であるとされています。特に生鮮食品の輸送では、産地が消費地から遠いため長距離輸送が多くなることや運行管理が難しいこと、市場や物流センターでの待ち時間が長いこと、手積み・手降ろし等の手荷役作業が多いことなどが指摘されており、こうした特徴により輸送費の引上げだけでなく、取扱い自体を敬遠される事例も生じていると懸念されています。


参考:農林水産省 新事業・食品産業部 食品流通課.“「食品流通をめぐる情勢」”農林水産省https://www.maff.go.jp/j/shokusan/ryutu/soumu/attach/pdf/index-35.pdf

2024年問題に起因する労働力不足は、食品物流におけるこのような事態をさらに深刻化させるのではないかと危惧されており、労働環境の改善や業務効率化に向けた早急な対応が必要とされています。

②コールドチェーンの維持

コールドチェーンとは、生鮮食品や冷凍食品など低温管理が必要な商品を、生産から消費まで冷蔵・冷凍など所定の温度に保ちながら管理し、流通させる仕組みのことを指します。
近年、冷凍食品や中食の普及などによりコールドチェーンの必要性は高まっており、食品物流においてもコールドチェーンの維持は欠かせないものとされています。コールドチェーンの目的は低温状態を保つことで長期間品質の維持を可能とすることで、これにより常温物流では困難な広域範囲への輸送や保存期間の長期化などが可能となりました。
需要の増加とともに発展してきたコールドチェーンですが、常温物流に比べて大きなコスト負担が伴うことやリソースが不足しがちであるといった課題があります。コールドチェーンでは、生産・加工、流通、消費、全ての過程において厳密な温度管理が必要となるため、流通体系を整備するのに大きなコストがかかります。また、コールドチェーンに欠かせない冷蔵・冷凍施設は現在、老朽化などにより建て替えの必要に迫られているものも多く、都市部、地方部ともに不足傾向にあります。さらに、冷蔵・冷凍設備を備えたトラックやドライバーの労働力不足の問題もあり、少ないリソースで効率の良い輸送を可能とするシステムの構築が求められています。

③コスト管理

一般的な物流においてもコスト管理は重要ですが、単価の低いものを多く取り扱う食品物流においては、より的確なコスト管理が企業の収益性を維持するために必要不可欠となります。
食品物流では、商品ごとに適切な温度帯に分けて配送を行う必要があり、賞味期限や消費期限の関係で一度に大量の仕入れを行うことが難しいため、小ロット多頻度配送が主流となっています。そのため、食品の売上高に対する物流コストの割合は比較的高い傾向にあり、物流コストの高騰が製品価格の上昇や利益の減少、さらには企業の事業継続に弊害を及ぼす可能性も考えられます。
このような事態を防ぐためにも、商品の特性に合わせた適切な輸送手段の選択や輸送の効率化が必要不可欠であるといえます。また、商品の不要な廃棄を避けられるよう、過去の売上や販売傾向などを正確に把握した上で適正な販売数を予測し、生産や発注のスケジュールを組むことも重要であるといえるでしょう。

食品物流の改善に向けた企業の取り組み

昨今の食品物流業界では、個々の企業から複数企業の連携によるものまで、物流課題の解消に向けたさまざまな取り組みが進められています。
個々の取り組みの具体例としては、包装設計の変更による積載率の向上や予約受付システムの導入による荷待ち時間の削減、配送計画や納品体系の見直しによる輸送量の平準化などが挙げられます。
複数企業の連携による取り組みについては、近年特に大手企業を中心として動きが活発化しており、下記の事例のように協働体制を強化し複数の施策を共に進めるケースも増加しています。

スーパーマーケット業界

2023年3月、スーパーマーケット業界大手であるサミット株式会社・株式会社マルエツ・株式会社ヤオコー・株式会社ライフコーポレーションの4社が、持続可能な食品物流の構築に向けた取り組みを行うとする宣言と「首都圏 SM 物流研究会」の発足を発表しました。具体的な取り組みとしては、加工食品における定番商品の発注時間の見直しや、特売品・新商品における発注・納品リードタイムの確保、納品期限の緩和(1/2 ルールの採用)、流通 BMS による業務効率化を掲げており、各社協力による物流効率化やサプライチェーン全体の効率化に向けて継続的な課題解決への取り組みを進めるとしました。
その後、「SM物流研究会」は2024年5月末時点で参加企業が16社に至るなど活動を拡大しており、2024年度には主に、パレット納品の拡大や共同配送、空きトラックの有効活用、生鮮物流・チルド物流における物流課題の解決などに取り組むとしています。


参考:SM物流研究会.“「2024年度 『SM物流研究会』の取り組み」”.農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/ryutu/attach/pdf/buturyu-533.pdf

冷凍食品メーカー

2024年6月には冷凍食品メーカー大手である味の素冷凍食品株式会社、テーブルマーク株式会社、株式会社ニチレイ、株式会社ニッスイ、マルハニチロ株式会社の5社が、冷凍食品物流の効率化と持続的成長を目指す検討を共に進めることを発表しました。これまでも個社同士の連携の中で全国各エリアでの共同物流は行われてきましたが、今後はさらに協働体制を強化し、共同保管・配送による積載率の向上や物流ネットワークの安定化、物流現場の生産性向上、共通プラットフォームによるデータ共有・利活用などについて具体的な検討を進めていくとしています。


参考:マルハニチロ株式会社.“「冷凍食品物流の持続的成長の確保に向けた5社協働取り組みの検討開始について」”. マルハニチロ株式会社 https://www.maruha-nichiro.co.jp/corporate/news_center/news_topics/2024/06/19.html

このように、食品物流業界においても企業間の連携を含む物流改善への取り組みは今後加速していくと考えられます。改善策の検討を進める際には、こうした他企業の事例を参考にすることも有用な手段であるといえるでしょう。


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食品物流の未来、テクノロジーがもたらす変革の流れ

近年では物流業界全体において、物流改善への取り組みとしてデジタル技術を活用したシステムの導入や物流の自動化などが推進されており、労働環境の改善や業務効率化へとつながることが期待されています。食品物流においてもAIを活用した需要予測やトラック予約システムの導入、物流倉庫の機械化・自動化などテクノロジーを活用した効率化の取り組みが活発化しており、より効率的かつ高度な物流体制の構築に向け、変革の流れが加速しています。
弊社としても、デジタル技術の活用により食品物流戦略の再構築を図る動きは拡大していると感じており、実際に弊社システムをご活用いただく食品業界の企業様も増えています。
次項では、弊社システムを実際に導入いただいている食品関連企業様の事例をいくつかご紹介していきます。

配車システムでデータドリブンな食品物流戦略を

弊社では、自社開発の自動配車システム「Loogia(ルージア)」を活用したシミュレーションサービスを提供しております。
Loogiaのテクノロジーにより算出されたデータをもとにシミュレーションを行うことで、「今の配送計画が本当に効率的なのか」の診断、自社物流の現況や改善ポテンシャルの可視化が可能となります。
一般的に、食品物流の配送業務は固定的なルートをもとに行われるケースが多く、月に数回あるいは年に数回の頻度でルートの見直しを行う企業様が多いかと思います。その見直しのタイミングに弊社シミュレーションサービスをご利用いただき、ルート再編のみならず、拠点の最適化やコスト削減など自社の課題解決にご活用いただくケースも増えています。もちろん、固定的なルート集配のみならず、毎日配送先が変動する企業様にもご利用いただけます。

弊社シミュレーションサービスについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
「“今の物流”を見直せる 配送計画のシミュレーションサービスとは?」 https://loogia.jp/news/bpaas/

以下では、弊社システムを実際に導入いただいている食品関連企業様のLoogia活用効果について簡単にご紹介します。

A社様の事例

食品物流事例

A社様では委託会社様による共同配送を実施していましたが、「配送品質」も重視したいというお考えがあり、品質とコストとのトレードオフを考慮した場合に現在の配送方法にどこまでコストメリットがあるのか検討したいというご意向がありました。
そこで、弊社サービスをご利用いただき、配送品質と配送コストの比較検証を重ねた結果、一部エリアでの貸切便運行の再開が決定されました。

B社様の事例

食品物流事例2

B社様では、弊社サービスを二つの観点からご活用いただいています。一点目は配車業務の属人化解消を目的としたもので、アナログ方式での配車作業の廃止や配車レベルの均一化に向けて、各店舗での運用拡大を目指したシミュレーションを進めています。二点目は、経営戦略としての物流シミュレーションにご活用いただいており、今後想定されるオペレーション変更や配送先の増加などに対し、現在のキャパシティでどこまで対応可能か判断するためのデータ収集、分析などに弊社サービスをご利用いただいています。

この他にも複数の企業様の事例をHPにて紹介

上記2社様以外にも、多くの企業様で弊社サービスをご活用いただいております。
Loogia導入企業ご担当者様に登壇いただいたセミナーのレポートや、Loogia導入に関する企業様へのインタビュー記事をHPに載せておりますので、こちらもぜひご覧ください。


敷島製パン株式会社様

2023年4月に開催した、敷島製パン株式会社様の物流改革事例を紹介するオンラインセミナーの内容をご紹介しています。


「【セミナーレポート】敷島製パンが目指す安定物流の実現~ドライバー不足への対応とCO2削減の事例〜」 https://loogia.jp/news/eventreport3/

日本生活協同組合連合会様

2023年2月に開催した、日本生活協同組合連合会様の「配送コース最適化」の取り組みを紹介するオンラインセミナーの内容をご紹介しています。


「【セミナーレポート】コープが実践した配達DXの取り組み~トラック2万5000台の配達最適化へ~」 https://loogia.jp/news/eventreport4/

株式会社泉州屋様

青果物の卸売り販売を行う株式会社泉州屋様のLoogia導入に関するインタビューをご紹介しています。


「導入事例-株式会社泉州屋様」 https://loogia.jp/cases/senshuya/

タカナシ販売株式会社様

乳製品などの販売を行うタカナシ販売株式会社様のLoogia導入に関するインタビューをご紹介しています。


「導入事例-タカナシ販売株式会社様」 https://loogia.jp/cases/takanashihanbai/

まとめ

当記事では、食品物流業界の特徴や課題、それに対する企業の取り組み等について、弊社システムを活用した事例を交えてご紹介しました。

食品物流業界が抱える課題は多岐にわたるものであり、今後もさらなる品質向上や業務効率化、適切なコスト管理に向けて食品物流改革の流れは加速していくとみられます。
弊社では、食品物流業界における新たな物流計画の構築を支援するシミュレーションサービスを提供しております。ぜひお気軽にお問合せください。

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