運行管理者とは、安全で確実な運行を行うために、ドライバーの健康状態の把握や指導監督を行う責任者です。営業所ごとに運行管理者を置くことが定められている国家資格で、自動車運送事業者にとって欠かせない存在です。 この記事では、運行管理者になるために必要な試験や講習についてご紹介します。
運行管理者になるには
運行管理者になるためには、「運行管理者資格者証」という国家資格を取得する必要があります。「運行管理者資格者証」は大きく旅客(バス・タクシーなど)と貨物(運送会社など)に分かれており、業種に合わせたものを取得しなければなりません。この資格を取得するためには2種類の方法があります。
1.運行管理者試験を受験する
公益財団法人運行管理者試験センターが実施する試験に合格することで資格を取得できます。運行管理者試験については次の試験概要の説明項で詳しく解説します。
後述するもう一つの方法はハードルが高いため、試験を受験して資格を取得するのが一般的です。
2.実務経験とその他の要件を備える
取得しようとする資格者証ごとに、それぞれに応じた種別の自動車の運行管理で5年以上実務を経験している必要があります。さらに、その間に運行管理に関する講習を5回(内基礎講習1回以上)受講していなければなりません。
こちらの証明には自分で勤務記録などを揃える必要があります。
運行管理者試験の概要
受験資格
運行管理者試験の受験資格は
のどちらか一方を満たすことで得ることができます。
基礎講習については後ほど解説します。
開催時期・地域
試験は全国の主要都市にて、年2回(例年3、8月)に開催されています。
申請期間は開催日の3ヶ月程度前から約1ヶ月間です。
試験の2ヶ月前には締め切りになるので受験する方は早めに申請しましょう。
費用
受験料は6000円(非課税)です。
また、下記の費用が別途かかります。
採点結果通知手続き(希望者のみ):220円
インターネット申請の場合:660円
書面申請の場合:1050円
運行管理者試験の合格基準
運行管理者試験は
の両方を満たすことで合格となります。
1,貨物自動車は貨物自動車運送事業法、旅客自動車は道路運送法:8問
2,道路運送車両法:4問
3,道路交通法:5問
4,労働基準法:6問
5,その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力:7問
運行管理者試験の難易度・合格率
令和4年3月実施の試験では、合格率が旅客・貨物共に40%程度でした。
司法書士の最終合格率が3~4%なので、比較的難易度は低いと言えるのではないでしょうか。
しっかりと対策をしていけば合格できる可能性は十分に高いと思われます。
過去の問題は公益財団法人運行管理者試験センターのホームページで公開されていますので参考にしてみてはいかがでしょうか。
運行管理者の基礎講習とは
基礎講習は3日間、全16時間で構成されており、全国の自動車教習所等で受講することができます。
講習の項目は大きく分けて以下の3つがあります。
最終日には試験があり、合格点に満たない場合は補講を受ける必要があるようです。
受講料はテキスト込みで8,900円(税込)です。
運行管理者になるメリット
運行管理者になることで、キャリアを形成する中で下記のようなメリットがあります。
収入アップの期待がある
資格取得によって昇給・昇格の条件になっていたり、手当が支給されたりする会社もあります。専門職としての需要が高いため、より良い給与条件での雇用が期待できます。
専門職として長く働ける
運行管理者は、運輸業界における専門職であり、法律でその役割が定められています。この地位は、プロフェッショナルとしての価値が高いです。管理職や高度な専門職への道が開け、組織内での昇進や、より良い職務条件を得る機会も増えます。体力仕事も少ないため、キャリアアップしながら長く働けることにも繋がります。
転職に有利
トラック運送会社やタクシー会社、バス会社など、さまざまな業界で必要とされる職種です。即戦力として採用されやすく、就職・転職が有利になるでしょう。
内勤で働ける
トラック・バスなどのドライバーは、体力的にも負担が大きく事故のリスクもある仕事です。しかし運行管理者は主に内勤のため、体力的な負担が少なく、年齢があがっても仕事を続けやすいです。
まとめ
この記事では、運行管理者になるための要件や試験の概要についてご紹介しました。
冒頭でもお伝えした通り、運行管理者は各営業所へ台数に応じて必要な人数の配置が義務付けられており、ニーズがあります。
ぜひ、「運行管理者資格者証」の取得を考えてみてはいかがでしょうか?
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