配車は物流業界の用語で、配送先や荷量に合わせて車両やドライバーを割り当てる業務のことを指します。配車を行う際には、配送先や荷量以外にもドライバーのスキルや性格などの様々な条件を考慮しなければならず、専門的な知識とノウハウが求められるほど難易度の高い業務です。
この記事では、配車とはいったいどんな業務なのか、また配車業務はなぜ難しいのか解説します。
配車とは？
配車とは、必要に応じて車を割り当てて目的地へ差し向けることを意味します。配車アプリや配車サービスというキーワードから、タクシーの配車をイメージする方も多いかもしれません。
しかし物流業界において、配車とは配送先や荷量に合わせて、車両やドライバーの割り当てを行うことを指します。また、配車業務を行う人のことを配車係（配車マン）と言います。
物流における配車業務は、複数の配送先や複数の車両から最適な組合せを考えた計画を作成しなければなりません。
莫大な組合せの中から、最適な計画を作成するには非常に高いノウハウと経験が求められるため、ベテランの配車係（配車マン）に依存している企業が多いのが現状です。
配車業務の難しさ
莫大な選択肢のなかから、最適な組合せを1つ選ぶだけでも、配車業務の難易度が高いことはイメージしやすいでしょう。それではなぜ、配車業務は難しいと言われるのでしょうか。ここでは、その理由を解説します。
①考慮する条件の多さ
配車は、配送先や荷量以外にも、配送に関わる多くの条件を考慮した上で計画を作成しなければなりません。
配送先に関わる条件では、配送先までの道路混雑や待機時間、時間指定、車格制限があります。また、荷量に関わる条件では、車両の積載容量や荷姿、積載効率や実車率などの配送効率を考慮しなければなりません。
そのほかにも、ドライバーの勤務時間や、車庫位置や配送方面、顧客満足度や顧客との関係性など非常に多くの条件を考慮し、最適な配車計画の作成が求められるのです。
②作成時間の短さ
物流企業のなかには顧客満足を高めるために、ギリギリまで注文を受け柔軟に対応している企業もあります。
直前まで注文を受けるため、配車係（配車マン）は荷物情報が確定してから出荷までの短い時間で、配車を最終確定しなければなりません。追加注文や変更があった場合には、一度配車したものを再度調整しながら確定させていきます。
このように複雑な条件を考慮しながら、短時間で最適な配車を確定させるには、配車係の熟練したスキルと経験が不可欠となります。
③前後の業務
配車業務は、車両とドライバーを割り当てるだけで成立する業務ではなく、前後の業務と調整しながら配車を組まなければなりません。
製造や入庫状況によって荷揃えのタイミングが合わなかったり、荷主によって出荷バッチや出荷バースが異なるために効率的な配車ができないこともあります。
このように、荷物や荷主の影響によって、スムーズな配車ができないことも業務の難易度に影響している要因の1つです。
④ドライバーへの配慮
配車業務において、配車を組む以上に重要で気を使うのがドライバーへの配慮です。
配車を組む際には、配送先や荷量の状況を見ながら、ドライバーのスキルや経験、性格、健康状態などを把握したうえで、適切に仕事を割り当てなければなりません。
ドライバーのスキルによって配送や荷卸しのスピードは異なるため、それも考慮した配車計画にしなければ、時間指定のある顧客への配送が間に合わないことも発生してしまうからです。
また、ドライバーの納得する配車ができないと不平不満を生み、業務がスムーズに行われなくなるだけでなく、ドライバーが退職してしまう最悪の事態にもつながりかねません。
そのため、それぞれのドライバーのスキルや性格を十分に理解した上で、最適な仕事の割り当てが重要になります。
配車業務の効率化・自動化
このように配車業務は非常に複雑であり、高いスキルと経験、そして、ドライバーへの理解が求められる業務であるため、ベテランの配車係（配車マン）に依存している企業が多いのが現状です。
そのため、配車業務が属人化してしまい、そのノウハウがブラックボックス化している状態です。しかし、近年ではTMS（輸配送管理システム）や自動配車システムの普及により、配車業務の効率化・自動化が可能となっています。
アナログで行っていた配車をシステム上で行えるサービスや、配送先と荷量のデータを読み込ませるだけで自動的に配車を行うシステムもあります。
さらに、車両に搭載した端末やドライバーのスマートフォンによって、ドライバーの稼働状況や位置情報を把握し、リアルタイムで進捗管理が行える機能も備えるシステムもあります。
まとめ
配車は、その日の配送先と荷量、そして限られたドライバーとトラックから最適な組合せを導く非常に難易度の高い業務です。難易度が高いがゆえにベテランの配車係（配車マン）に依存してしまい、配車業務の属人化が課題となっている企業も決して少なくありません。
配車業務の属人化という問題を解消するためには、システム導入がカギとなります。自動配車クラウド『Loogia（ルージア）』は、新人の配車係でも最適な配車計画を短時間で作成でき、配車業務の効率化・標準化を実現することができます。
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