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配車係とは?業務内容・やりがい、物流業界における現状を解説

2023/03/28

コラム

配車係は大まかにバス、タクシー業界の配車係と、物流業界の配車係に区別できます。物流業界の配車係は、配送先や荷量に合わせて車両やドライバーを割り当てる業務を遂行する人のことを指します。

運送会社では会社全体の売上・収益を左右する重要な職種です。この記事では物流業界における配車係の業務内容ややりがい、そして、物流業界における配車係の現状をわかりやすく解説します。

配車係とは

物流業界における配車係とは、配車マンとも呼ばれ、自社で請け負った配送をドライバーとトラックに適切に割り振る業務を行う担当者のことです。同様の業務を運行管理者が兼ねることもあります。

配車係はその会社の司令塔ともいうべきポジションで、その仕事は多岐に渡ります。トラブルに対応する状況判断力や多様な関係者と良好な関係を築くコミュニケーション能力、またドライバーの現場を熟知していること、など幅広いスキル・知見が求められます。

その労働環境やプレッシャーなどからネガティブな評判が付きまとうポジションですが、自分の采配が収益を大きく左右するやりがいのある職種です。

業務内容

配車係は、下記の仕事が主な業務です。

配車計画の作成

配車計画の作成は、配車係のメインとなる業務です。配車係は配送先や荷量・荷姿などの荷物情報、交通情報など多くの情報を考慮して、複数の配送先や複数の車両から最適な組合せを考えた計画を作成しなければなりません。

さらには各ドライバーの適性ややる気、能力を考えてバランスの良い配車組みを行う繊細さも求められます。このように配車係は、さまざまな条件を考慮しながら効率活最適な配車組みを行わなければいけないため、非常に高いノウハウと経験が求められます。

同業者への協力依頼

自社トラックのキャパシティ(積載容量)に対して荷物がオーバーしている場合は、同業者に車両手配をしてもらうことがあります。逆に、自社車両のキャパに対して荷物が少ない場合は、仕事を同業者からもらうことで荷物の確保をすることもあります。

配送状況の進捗管理

近年ではGPSを使った動態管理システムを利用して、ドライバーを適切に管理する役割が重要となっています。動態管理システムによって、配車係は自社ドライバーの位置や配送状況を以前より容易に、かつ正確に把握することが可能になりました。

交通状況の確認とドライバーへの指示

悪天候や事故などで渋滞や通行止めが起こり、配送の遅れや延着といったトラブルとなることもあります。そうした交通状況の変化をいち早く把握してドライバーに状況や指示を伝え、ドライバーをサポートすることも配車係の重要な仕事です。

また、配送を行っているドライバーからもよく連絡が入ります。その際にドライバーへ冷静かつ的確な指示を出すことも配車係の役割です。

適切な労働時間の管理

物流業界でも現在コンプライアンス遵守や働き方改革が進んでいます。ドライバーが過重労働にならないような適切な配車組みをするなどして、ドライバーの休憩時間や労働時間を適切に管理しなければなりません。

荷主企業やドライバーとの調整

配車係はドライバーだけでなく、荷主企業からの依頼や変更を受けたり、直接やりとりをする機会も多いです。荷主企業とドライバーとの間をつなぐために、調整業務が発生するのも特徴です。

配車係に必要な資格・スキル

配車係に資格は必要ありません。しかし運送会社では「運行管理者」が配車係を兼ねるケースが多くあります。

この「運行管理者」は国家資格で取得するには、

  • 運行管理に関して1年以上の実務経験を有する。
  • 国土交通大臣の認定を受けた基礎講習実施期間での基礎講習を修了している。

以上のいずれかの要件を満たした上で、運行管理者試験に合格し、「運行管理者資格者証」の交付を受ける必要があります。

運行管理者に求められる知見は、配車係に必要です。さらに車両台数30台未満の事業者も最低一人は専任を置かなければいけないため、恒常的な人材不足にある運送業界では、運行管理者が配車係を兼務することが多いです。

配車係に向いている人

配車係になるには特別な資格は必要ないと確認できました。では、どんなスキルを持つ人が向いているのでしょうか。配車係に向いている人について紹介します。

高いコミュニケーション能力

配車係はドライバーや荷主企業をはじめ、さまざまな関係者と業務上コミュニケーションをとります。多くの関係者と業務上関わるなかで、それぞれと良好な関係を築きながら仕事を円滑に進めていく必要があるため、コミュニケーション能力がある人が向いています。

配車係は、ドライバーと荷主企業、そして経営者の三方から板挟みになることもあります。例えば、売上を伸ばしたい経営者と、仕事や負担が増えるのを嫌がるドライバーとの板挟み状態になることもあり、それぞれに適切に配慮しなければならない難しさがあります。

また、ドライバーにとって面倒で割に合わない仕事を配車係が指示することもあります。業務を円滑に進めるためには、その仕事をドライバーに均等に割り振るなどの工夫をしつつ、信頼関係のもとやってもらうこともあります。

ドライバー事情に詳しい

ドライバー経験者が配車係を務めることも多くあります。ドライバーの状況や心情が分からずに配車組みを行ってしまうと、ドライバーの反感を買ったり、ドライバーとの軋轢が生まれてしまったり、業務が滞る事態になりかねません。ドライバー事情をよく理解した上で、配車組みを行うことが求められます。

多くの情報を扱い、状況判断力が高い

配車係は、常に荷物の状況やドライバーの動向に目を向けておく必要があります。配送中のトラブルや突然の変更、渋滞などの交通状況を即座に把握し、その状況にあわせた適切な指示をドライバーにしなければなりません。そのため多くの情報を同時に扱い、高い状況判断力が大事になってきます。

配車係のやりがい

配車係の仕事は非常に重要かつ複雑な業務であり、ある程度の能力と知見が求められるがゆえに、相応の責任や難しさが伴います。配車係が仕事を行う上でのモチベーションはなんでしょうか。ここでは、配車係のやりがいを紹介します。

幹部昇進へつながる

配車係は運送会社の中核をなす業務であるため、配車係での実績や経験が評価されれば、幹部への昇進につながります。また、運行管理者の資格を持つことで幹部候補とみなし期待する企業もあります。幹部になれば年収も大幅に上がるため、配車係のモチベーションの源となっています。

自社に大きな影響力のある仕事ができる

会社の運営や業績に大きく関われることも配車係のやりがいの一つです。配車係の配車一つでドライバーのモチベーションに影響を与えられます。効率の良い配車組みはドライバーのモチベーションを向上させ、ドライバーの生産性が上がれば、会社の成長に貢献できます。

配送係は誰でもできる仕事ではありません。その業務は難易度が高く責任の大きさやプレッシャーで大変な点もありますが、その分大きなやりがいや達成感があります。

荷主企業やドライバーから感謝される

荷主企業やドライバーから感謝されることも配車係の大きなやりがいになります。期待を超える仕事ができれば、窓口である配車係は荷主企業からの感謝の言葉を直接もらうこともあります。

また、毎日多くのドライバーとも接するため、仕事のなかでドライバーをサポートして感謝されることもあれば、逆に助けられることもあります。チームワークを発揮しながら業務を行うこともやりがいになるでしょう。

物流業界における配車係の現状

現在の日本は少子高齢化による人口減少に伴い労働人口が減っており、経済全体で労働力不足が懸念されています。

物流業界も例外ではなく、国内貨物輸送の4割強を担い約6万2千社社の事業者と約188万人の従業員が活躍しているトラック産業でも、担い手不足が危惧されています。さらに、対策を講じなければ、担い手の減少が急速に進むと予測されています。

労働環境

配車係の労働時間は一般的に長時間になる傾向があります。企業や繁忙期、閑散期によって異なりますが、配車係の業務を定時までにすべての業務を終わらせることは難しいです。また、配車係はドライバーの運転中はいつでも状況の変化に対応できるように働いています。

実際、物流業界に対するイメージ調査によると、マイナスイメージの上位に「休日・休暇・労働時間」「仕事の魅力」が挙げられています。

(出典:物流を取り巻く現状について

属人化

配車係の業務内容でも言及したように最適な計画を作成するには、非常に高いノウハウと経験が求められます。

配車業務は、複数の集荷先・納品先における積載可能重量や配送指定時刻、ドライバーの勤務可能時間や走行距離といった条件を考慮しなければなりません。さらに時間指定はセンターや店舗の開店時間に合わせて出荷することが多く、早朝から午前中に集中しています。

荷主側からの厳格な時間指定も考慮して、限られた人員から配車計画を作成することは非常に難しく、そのため配車業務はベテランの配車係の属人的な業務となる傾向にあります。

高齢化

令和元年度の時点で、トラック業界就業者のうち、40~54歳が44.3%を占めています。一方で29歳以下の層は全体の10.3%となっています。全産業の平均では40〜54歳の割合は34.7%、29歳以下の層は16.6%であるため、物流業界では高齢化が特に進行していると言えます。


(出典:物流をとりまく状況と物流標準化の重要性

企業に求められる改善策

配車係を取り巻く環境において、労働時間の削減や属人化・高齢化に対する改善策はあるのでしょうか。ここでは企業に求められる改善策を紹介します。

ドライバーの労働時間削減

ドライバーの労働時間を削減することで、ドライバーを管理する配車係の労働時間も減るでしょう。物流の2024年問題に対応するため、ドライバー労働時間削減に向けて様々な施策をとっています。

詳しくは以下の記事にて解説しております。
物流の2024年問題とは?働き方改革関連法との関連、物流業界への影響と対策

自動配車システムの導入

上述のように、配車係の業務は属人化しています。また、配車計画を地図などを用いて手作業で作成する企業も多く、配車係の労働時間が長くなる要因にもなっています。

今後、配車のノウハウを持つ人材が減ったとしても、従来通りあるいはそれ以上の効率で業務をこなすためには、配車業務の標準化は避けて通れません。自動配車システムの導入により属人化脱却、配車作業の簡略化による労働環境の改善、さらに、新人の即戦力化が可能となります。

まとめ

配車係は配送先や荷量に合わせて車両やドライバーを割り当て、運送会社の売上に大きく影響する重要な仕事です。高い能力とノウハウが求められ、相応の責任や難しさが伴うものの、その分大きなやりがいや達成感を得ることができます。

しかし、配車は非常に難易度の高い業務であるためにベテランの配車係に依存してしまい、配車業務の属人化が課題となっている企業も少なくありません。

配車業務の属人化だけではなく、配車係の労働時間の問題を解消するためには、システム導入がカギとなります。自動配車クラウド『Loogia(ルージア)』は、新人の配車係でも最適な配車計画を短時間で作成でき、配車業務の標準化・効率化を実現することができます。

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配車業務の属人化やドライバー不足など、ラストワンマイルの配送現場で起きている様々な課題に対して、Loogiaを利用してどのように解決できるかを紹介します。

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