物流業界での「ラストワンマイル」とはどういう意味なのでしょう?
この記事ではラストワンマイルの基本的な意味と、ラストワンマイル配送が抱える課題について紹介します。
ラストワンマイルの意味
「ラストワンマイル」は英語で「Last one mile」と綴ります。
「最後の一マイル」と直訳されますが、物理的な距離を表しているわけではありません。
物流業界では、お客様へ物を届ける物流の一番最後の区間を意味しています。
例えば、運送業者の最寄りの営業所から一般のご自宅への配達がラストワンマイルです。
この過程は物流コストの大部分を占めるとともに、顧客満足度に直接影響を与えるため、非常に重要な段階です。
物流のラストワンマイルの3大課題
1,配送の小口化・多頻度化
ラストワンマイルにおける大きな課題の1つが、EC需要の増加や配送ニーズの多様化などに伴う配送の小口化・多頻度化です。
下の表を見ると、物流件数は増加、貨物1件当たりの貨物量は減少しています。

(参考:物流MaaS勉強会 とりまとめ)
つまり、小さな荷物を多くの場所へ運ぶ必要が出てきたということです。
時間指定の増加や狭い道での配送により配送効率が低下しており、ドライバーの3>3,地域による格差と地方での採算性悪化負担が大きくなっています。また、一件ごとの配送量が少なく、効率が悪い点も大きな課題となっています。
2,ドライバー不足
もう1つの課題はドライバー不足です。
ドライバー不足の原因は複数ありますが、労働条件の厳しさ・ドライバーの高齢化・長時間労働などがあげられます。
全日本トラック協会の調査では、ドライバーが「非常に不足している」「不足している」「やや不足している」と答えた人が85%を占めています。
また、トラックドライバーは、低賃金・長時間労働のイメージが強く、若年ドライバーの雇用に難航している現状があります。
3,地域による格差と地方での採算性悪化
都市部では交通渋滞や駐車スペースの不足が、地方では配送先までの距離が長くなるなどの課題があります。
地方の人口が少ない地域は積載効率が悪くなり、長い時間をかけ長距離を走行しても都市部ほど配送件数が多くありません。荷物を早く届けることを求められる一方で、配達業者にとっては都市部と比較して地方での配送は採算性が悪くなります。

ラストワンマイルの課題を解決する方法
課題の多いラストワンマイルの物流において、どのような課題の解決方法があるのかご紹介します。
ドローンや自動運転車など新技術の活用
ドローンや自動運転車を利用した配送は、交通渋滞の影響を受けにくく、配送速度の向上が見込めます。すでに実証実験が進められており、今後さらに規制緩和や法整備されることで、実現可能となる可能性が高まります。
新しい技術の導入は物流業界に大きな変化をもたらすでしょう。
輸送手段の見直し
トラックでの輸送が主流ではありますが、自転車や台車での配送を取り入れることで小回りが効き、駐車スペースを気にする必要がなくなります。
また異なる企業が物流資源を共有し、配送効率を高める「共同物流」の推進も有効です。これにより、配送車両の稼働率を向上させることができ、空走や二重配送を減らすことが可能になります。
システムで最適な配送ルートを算出
人手不足のラストワンマイル業界で配送の供給能力が深刻化する中で、システムの導入は必要不可欠になるでしょう。
AIを活用した配送ルートの最適化を行うことで、配送効率を高めることができます。必要な条件をもとに最適なルートを作成し、さらに積載率を上げることが可能になります。システムの導入によりドライバーの労働環境を良いものにしつつ、効率的な配送業務を実現することができます。
システムの活用でラストワンマイルの課題を解決する
配送の小口化・多頻度化やドライバー不足などラストワンマイル配送が問題を抱える中、システムで課題を解決しようと試みる動きが増えてきています。
その1つに配車管理システムが挙げられます。
配車管理システムについては別の記事で詳しく綴っているので興味がある方はご覧ください。
Loogiaは、ラストワンマイル配送に特化した自動配車システムです。
生活を支える物流の課題を解決し、共により快適な社会を作っていきましょう。
ぜひ下記より資料ダウンロードをお待ちしています。