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導入事例

食品店舗配送

ルート組みの属人化解消、配送委託先と連携したコース再編を実現。中部地区に続き東日本地区でも利用拡大へ

食品卸
会社名
敷島製パン株式会社様
会社HP
https://www.pasconet.co.jp/
事業内容
パン、和洋菓子の製造、販売

配送コース最適化

導入背景

・ドライバー不足の問題に対応するため、配送の効率化を図りたい
・ルート組み業務の属人化を解消したい



利用方法

・固定ルートの配送コース見直し


効果

・エリアごとにコース数の削減に成功
・配送委託先と一体になったwin-winのコース再編を実現

お客様の声

敷島製パン株式会社様
インタビューにご参加いただいた皆様(左から順に)
・パスコウエストカンパニー 物流部長 今西様
・パスコウエストカンパニー 物流部

 中部地区物流管理課長 井上様
・カンパニー本部 物流企画部 物流企画グループ 森様
・パスコウエストカンパニー 物流部

 中部地区物流管理課 係長 木下様
・執行役員 カンパニー本部 物流企画部長 深瀬様

インタビュー背景

2020年からLoogiaをご利用頂いている敷島製パン様では、中部地区でのご利用から始まり、今では東日本地区でもLoogiaをご利用頂いております。荷主企業である敷島製パン様が、どういった経緯で自動配車システムを導入し、活用範囲を広げて行かれたのか、4年間のあゆみをお伺いします。

Loogiaを導入したきっかけや背景を教えてください。

今西様:
当社では、以前は自社配送を行っていましたが、現在は配送業務を委託しています。
昨今のドライバー不足の問題などもあり配送の効率化が必要であると考えていましたが、当時の当社ではルート組み業務が属人化しており、ルート作成にも手詰まり感を抱えていました。

ルート組み業務は担当者の勘や経験に依存しており、変えたいと思ってもどう変えれば良いのかわからず、ワンパターンになったり正解が見つからないという状態で、ルートを改善したいと思ってもなかなかそこに踏み込めないという状況に陥っていました。

そこで、クラウド上でルート作成が可能なシステムを導入しようと検討していた際に、ラストワンマイルを最適化するシステムがあると紹介を受けたのが、Loogia導入のきっかけとなりました。

Loogiaの導入をどのように進めていったのか教えてください。

今西様:
Loogiaを導入し作成したコースの試走に至るまでには、1年ほど時間がかかりました。
実を言うとこの試走の段階までは、Loogiaで作成したコースが本当に実用可能か疑問に思っていました。しかし実際に走ってみると、計算結果と実際の走行結果に大きな差がなく、「これは今までにないシステムだ」と驚きました。他のシステムと比較してもLoogiaの方が優れている点が多く、優位性が高いと感じました。その後は、試走の結果で実用可能と判断できましたので、当社の物流子会社で試験運用を開始しました。



まずは愛知県の豊田市エリアで運用を開始し、対象となる10コースを7コースまで削減した計画を実行しましたが、こちらは翌日には元のコースに戻す結果となりました。積み込みや荷下ろしにかかる時間を十分に考慮できておらず、計画より時間がかかってしまい調整が必要となったためです。
計画を作成した段階では、積載率もほぼ100%で非常に効率的だと考えていましたが、実際に運用してみると荷役作業などでドライバーに大きな負担がかかることがわかり、再度検討が必要となりました。今となっては、はじめにLoogiaの設定で作業時間をもっと多く見積もっておくべきだったと思います。
この豊田市エリアでの試験運用で、効率性だけを求めるのではなく、少し時間に余裕を持った計画を作成する必要があると認識することができました。最終的に、豊田市エリアでは全体で14コースを12コースまで削減することができました。

Loogiaを導入した当初は委託先様も半信半疑で「本当にこのコースで配送ができるのか」という声もありましたが、実際に運用が始まり新しいルートの効率性がわかると、徐々に受け入れられ協力も得られるようになり、対象エリアも知多半島の方にまで拡大することができました。

この中部地区での成功をもとに、東日本地区でもLoogiaの活用が広がり、現在では西日本地区への展開も進んでいます。

東日本地区での取り組みはどのように進められましたか?

深瀬様:
私は3年前に東日本地区に異動しましたが、それ以前は中部地区で今西と共にLoogiaの取り組みに携わっていました。私が異動した当初は、東日本地区でもLoogiaの存在は知られていましたが、当時使用していた他社のシステムを継続して利用する方針となっていました。しかし、私自身が中部地区でLoogiaの効果を実感していたため、東日本地区でもLoogiaを導入するよう話を進めていきました。

実際に導入してみると、効果が出るのも早く、3ヶ月ほどで都内で1コースの削減を実現しました。群馬県エリアでは一度に3コースの削減に成功し、現場の信頼も高まりました。
中部地区で得た学びが、東日本地区での取り組みに活かされたと感じています。また、中部地区のメンバーが東日本地区のメンバーにレクチャーをしながらスキルの共有を行ったことで、迅速に成果を得ることができたと考えています。もちろん、東日本地区メンバーのスキルが高かったことや、興味を持ってLoogiaに取り組んでくれたことも成果へとつながった大きな要因だと思っています。



また、委託先様のご協力を得られたことも大きかったです。実は、東日本地区ではそれまでコースの見直しを積極的に行っていませんでした。しかし、東日本地区の委託先様がドライバー不足の問題に対して危機感をお持ちだったことや、取り組みを開始するタイミングで当社の物流子会社に着任された方が「取り組みを始めるなら、両社の担当者が隣同士でいっしょに取り組む方が早い」というお考えをお持ちだったことで、双方が連携しながら積極的かつスピーディに取り組みを進めることができました。

他には、東日本地区の物流子会社では共同配送が少なく、当社の荷物だけを運ぶケースが多かったこともスピード感を持ってLoogia導入を進められた要因の一つだと考えています。他社の荷物も考慮しなくてはならなかった中部地区と比べて、東日本地区では当社の荷量情報だけで良いため、情報共有が容易で取り組みやすいと感じました。

Loogiaの活用が円滑に進むポイントなどがありましたら教えてください。

井上様:
時間の余裕を持たせた計画を作成するということが重要だと考えています。今西の話にもありましたが、Loogiaを導入した当初は効率化を図ることに集中してしまい、ドライバーの作業負担が大きくなってしまう傾向にありました。そうした負担を抑えて進めていくにはどのようにすれば良いのか検討した結果、過去の実績をもとに店舗様ごとに適切な時間配分を設定し、余裕を持たせた計画を組むことになりました。

もちろん、新しいコースに慣れていない最初のうちは余裕を持たせた計画でも時間をオーバーすることはありますが、それも3、4日もすれば慣れてきて早く配送が終わるようになります。早く終わる分には良いのですが、計画より遅くなればドライバーから不満が出やすくなりますし、昨今ではドライバーの運行時間や休憩時間に関する基準も厳しくなっているため、そうした点も踏まえて計画を作成するようにしています。

また、余裕を持ったルート組みを行うことで、新たな店舗をコースに追加する際も変更箇所を少なくすることができます。当社では大きな変化がない限り基本的にコースの変更は行わず、数年間そのまま運用します。新しい店舗を追加しても今あるコースで対応できるよう、最初の段階である程度余裕を持たせたルート組みを行うようにしています。



今西様:
頻繁にコースの変更を行わないのは、納品先の店舗様の運用に影響を与えないためでもあります。店舗様では陳列オペレーションなどがありますので、到着時間が変更となればそこにも影響が出るためです。また、配送ドライバーへの教育も頻繁に行う必要が出てくるためです。

深瀬様:
配送時間の制約としては騒音の問題も大きく関係しています。住宅街に近い店舗様では、早朝や深夜の配送を制限する場合もあります。しかし、日中の配送では渋滞や駐車場の混雑などで配送効率が悪くなるため、できる限り早朝や深夜に配送が行えるよう調整をしています。店舗様ごとの到着時間の指定は大変だと感じることもありますが、こうした問題は食品メーカー共通の悩みだと思います。

木下様:
コース再編の際には、騒音問題などの諸条件を考慮しながら、まずエリア内でざっくり計算を回します。その際、どうしても少し店着時間をずらす必要がある店舗様も出てきてしまいます。そういった場合には営業部門とも連携して店舗様との調整を行いますので、その調整期間も鑑みてコース再編の期日を設定して取り組んでいます。中には別のコースに振り直す店舗様もありますが、手直し機能を活用して最終的な微調整を行い、コースを確定させています。



物流部門はさまざまなステークホルダーと関わる機会も多く、他部門と利害が一致しない場合もあるかと思いますが、どのように調整をされていますか?

深瀬様:
店舗様への説明や交渉を行うのは営業部門のため、コースや到着時間の変更に営業部門が抵抗感を持つことはあるかと思います。ただ昨今では、2024年問題などの物流課題がさまざまなメディアでも取り上げられ注目を集めているため、物流への理解も得やすくなっていると感じています。
さらに当社では、近年営業部門から物流部門への異動も多くなっているため、営業部門に元同僚がいることでスムーズな意思疎通や調整が可能となり、協力が得られやすい体制が整えられています。部門間の連携も以前よりさらに活発になっていると感じています。

井上様:
私自身も営業の経験がありますが、ルート組みを行う上で営業や実際の配送現場での経験はとても重要だと感じています。例えば、経験のない若手がLoogiaを使用してルートを作成できたとしても、実際に配送してみるとうまく回ることができないといった事態が生じる場合もあります。
配送に対する豊富な経験や高い知見を持つ人財と、Loogiaをうまく使いこなすことができる人財、この両者が組むことで互いの良いところを活かすことができ、「現場で使える」効率的なルート組みが可能になると考えています。

Loogiaを導入したことで、社内にどのような変化がありましたか?

今西様:
当社はウエストカンパニー(中部地区・西日本地区)、イーストカンパニー(東日本地区)、冷食カンパニーと3つのカンパニーに分かれていますが、Loogiaを導入したことでカンパニー間の交流がさらに深まったと感じています。共通のシステムを活用することで、配送コースの効率化を目指して同じ方向を向くことができています。

木下様:
私はウエストカンパニー(中部地区)でLoogiaを活用したコース再編に取り組みましたが、イーストカンパニー(東日本地区)にLoogiaの活用を広げた際には、イーストカンパニーのメンバーに対して直接Loogiaの使い方をレクチャーする機会もありました。また、メンバーからくる問い合わせに日々対応することで、カンパニー間での交流が持てました。

深瀬様:
まさに木下が先生になってくれたように、Loogiaの使い方についてカンパニー間で相談ができるというのもありますし、どこが活用しているのかもわかるため良い意味での競争にもなっています。Loogiaが拠点間の架け橋となり、課題や情報の共有がしやすくなっていると私も感じています。


荷主様として主体的に物流改善に取り組まれていらっしゃいますが、今後の物流に関してはどのように捉えていますか?

深瀬様:
当社では物流部門の強化に向けて配送だけでなく、新しい物流機器の検討など幅広い視点で物流全体の効率化を図るよう活動しています。また、静岡県の沼津市エリアでは中部地区と東日本地区の物流拠点の境界が課題となっており、工場間の効率的な配送ルートを模索するなど、課題解決に向けて検討が進められています。このように、カンパニーやエリアの壁を越えて、考えていかなければならない課題は増えていますし、課題解決に向けた動きを進めていかなければ将来的に物流を維持することは難しくなると考えています。

今西様:
「モノを運べなくなる」という未来については、私たちも強い危機感を持っています。必要に駆られてというのもありますが、物流の課題に対して荷主である私たちは真剣に取り組まなければならないと考えて行動しています。そういった中で、日常的に物流に関係する情報を自然と収集するようにもなりました。



深瀬様:
物流の展示会や他社との交流、現場の視察などを通じて情報を集めています。また、物流企業だけでなく、他の業界の方と話すことでも新たな情報やアイデアを得ています。社内でもエリアに関係なく、得られた情報はみんなで共有し合うようにしています。

最後に、今後の展望について教えてください。

今西様:
さらに未来の話でいうと、ラストワンマイルだけでなく、サプライチェーンの上流にもアプローチをしていきたいと考えています。現在では、拠点間の移動計画を製品の出来上がりに合わせて作成していますが、それを逆流させて物流目線から計画を立てられるようにしていければと思っています。「この時間にこの店舗様に持っていかなければならないから、この時間に製品がこの拠点になくてはいけない。だからこの時間には作らなければならない」というように遡って考えていくことで、何か違うものが見えてくるのではないかと期待しています。

森様:
効率の良い拠点間の移動ルートに合わせて生産払い出し時間を調整することが可能になれば、トラックの台数削減につながるのではないかと考えています。いずれにしても今はまだ模索の段階ではあります。


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