物流のBCP対策とは?ガイドラインや策定のメリットを解説

  • 荷主向け
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BCPは、緊急自体発生時に事業を止めず、早期に復旧させるための計画です。

特に物流業界ではBCPの重要性が高まっており、競争優位性の向上にもつながる投資として位置付ける企業が増えています。本記事ではBCPの基本項目や策定のメリット、BCP策定に活用できるサービスをご紹介していますのでぜひ最後までご覧ください。

物流業界における BCP(事業継続計画)とは?

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、災害や緊急事態が発生した際に、重要業務を中断させない、あるいは早期に復旧させるための体制・手順などをあらかじめ定めておく計画のことです。

物流業界においては特に輸送・保管・荷役・配送などのプロセスが複雑に絡み合っており、非常事態が発生した際には下記のようなさまざまな事象が起こるリスクを孕んでいます。

これらの要因は、納期遅延・欠品・顧客クレーム・契約不履行などの二次被害を生み、企業評価の低下や信頼喪失へとつながります。

物流は製造や販売といったあらゆる事業活動の基盤となるインフラです。そのような重要な役割を担う物流の停止は、単なる業務遅延ではなく「企業の事業継続そのもの」を脅かすリスクなのです。

したがって突発的なリスクが発生した際でも、いかに早く復旧し、物流を動かし続けられるかが、企業にとっての生命線となっています。その中核を担うのが、BCPです。

BCP 対策のために押さえるべき基本項目

物流におけるBCP対策では、「どのような事態が発生しうるか」「その際に何を優先して守るのか」「どう復旧するのか」を明確にすることが重要です。

ここでは、BCP策定の際に押さえておきたい3つの基本項目を整理します。

① 想定シナリオの策定

まずは、自社の物流ネットワークにどのようなリスクが潜んでいるかを把握することから始めます。地震や台風といった自然災害だけでなく、交通事故・システム障害・感染症の流行など、事業を止める要因は多岐にわたります。

想定シナリオを明確にしておくことで、「どこが止まると最も影響が大きいのか」を可視化でき、限られたリソースの中で効果的な対策を優先できます。

② フェーズ別の対応計画の策定

非常事態は、発生直後から復旧までの各フェーズで必要な対応が異なります。

初動での混乱を最小限に抑えるためには、「誰が・いつ・何をするか」を明確にした計画が不可欠です。

初動対応(被災直後〜72時間)

中期対応(1週間〜1ヶ月)

復旧・再構築対応(1ヶ月以降)

③ 定期的な訓練と体制の見直し

BCPは一度作って終わりではありません。実際の現場では、計画と現実のギャップが生じることも多く、定期的な見直しと訓練が不可欠です。

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BCP ガイドライン

国土交通省は荷主・物流事業者の連携による安全で強靭な物流の実現に向けたBCP策定ガイドラインを発行しています。

https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001601839.pdf

このガイドラインでは、災害発生時でも物流機能を可能な限り維持し、社会・経済活動を支えるために、事業者が取るべき行動指針が具体的に示されています。

中でも特に物流業界に関係が深い3つのポイントをご紹介します。

① 無理な運行要請の防止

災害発生時、発荷主や元請け企業がドライバーや協力会社に無理な運行や納品を強要することを控えるよう明記されています。

被災地の安全が確保されないままの輸送は、事故や二次災害のリスクを高めるため、物流業界全体で「安全最優先」の姿勢を共有することが求められています。

② 物流従事者の安全確保

BCPでは物資の流れだけでなく、人の安全をどう守るかが最重要項目です。

倉庫作業員やドライバーの出勤・通勤経路の安全確保、災害時の避難経路や連絡手段の整備、宿泊・待機スペースの確保など、現場単位での対策を徹底する必要があります。

③ 感染症対策

新型コロナウイルスの流行を経て、BCPの対象は従来の自然災害から感染症やパンデミックなどの社会的リスクにも拡張されました。特に物流は対面での接触や移動を伴う業務が多く、感染症対策が重要視されています。規則に基づいた対策を実施することはもちろん、感染症拡大の影響を受けて業務に支障をきたしている事業者に対して荷主から不合理な要請を行わないよう義務付けられています。

リスク回避から競争力強化へ、BCP対策実施のメリット

BCPは、災害や事故などの緊急時に備える“守りの施策”として捉えられがちですが、実際には平常時からの経営体制強化や顧客信頼の向上につながる重要な取り組みです。

緊急事態を想定したマニュアルを整備し、平時から訓練や点検を重ねることで、非常時でもスムーズに業務を継続できます。

こうした備えは、単にリスクを減らすだけでなく、「どんな状況でも事業を止めない」強い組織づくりにも直結します。

また、BCPを策定する過程で「優先的に継続すべき業務」「代替ルートや拠点」「現場と経営の連携体制」などを整理することで、自社の強みと弱みを客観的に把握することができます。

その結果、経営判断の精度が高まり、日常的な業務改善やコスト最適化にもつながります。

つまりBCPは、単なる防災対策ではなく、物流の信頼性と企業の競争力を高めるための経営戦略なのです。

BCP を物流競争力につなげるには?

BCPは、単なる「リスク回避の仕組み」ではなく、企業の競争力を高める戦略資産として活用することができます。

BCPを“防御策”ではなく“攻めの仕組み”として捉えることで、下記のような観点で競争優位を目指せます。

信頼性の向上

非常事態でも納期遅延や欠品を最小限に抑えられる体制は、顧客や取引先からの信頼を大きく高めます。特に物流はサプライチェーン全体の要となる領域であり、「止まらない物流」を実現できる企業が求められています。

差別化要因の創出

BCP対応力は、今や取引先がパートナーを選定する際の評価項目のひとつです。災害時の対応実績や体制の整備状況をアピールすることで、競合との差別化にもつながります。

コスト管理力の向上

BCPを前提とした輸配送設計は、単にリスクを減らすだけでなく、平常時の効率性と柔軟性につながります。

持続可能性と社会的責任

災害対応力や復旧体制の強化は、企業のレジリエンス評価を高めるだけでなく、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の一環としても注目されています。

社会インフラを支える物流企業としての責任を果たす姿勢は、従業員・投資家・顧客からの信頼を得る上でも欠かせません。

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BCP対策でも活用できる輸配送最適化ソリューション「Loogia」

Loogia(ルージア)は、配送業務に必要なデータの蓄積から分析、コンサルまで幅広くサービス提供をしています。

特に既存ルートのデータ解析と最適な配送網を提案する「Loogiaコンサルティング」は、BCP対策としても活用いただけます。

自社でBCPを検討しても、実際の拠点構成や輸送ルートのどこにリスクがあるのかを把握しきれないケースは少なくありません。

Loogiaでは、コンサルタントによる輸配送データの分析や現場ヒアリング等を通じて、物流ネットワークの可視化/再編をご提案し、、被災リスクの高いルートや拠点の特定、代替ルート・輸送手段の検討、緊急時にも稼働できる体制づくりに向けて、実行可能なBCP策定を伴走支援します。

BCP対策は、単にリスクを減らすための準備ではなく、企業が「止まらない物流」を実現するための戦略的な仕組みづくりです。

Loogiaは、輸配送最適化の専門家として、現場の実情を理解しながら、持続的に強い物流体制を築くお手伝いをいたします。まずはぜひご相談ください。

Q&A

Q. なぜ物流業界でBCP対策が重要なのですか?

A. 物流は、企業活動や社会生活を支える基盤であり、一度止まると社会全体に影響が及びます。

近年は地震・台風・豪雨などの自然災害が頻発しており、輸送ルートの遮断や倉庫の被災、ドライバー不足といったリスクが深刻化しています。

BCPを策定しておくことで、緊急時でも最低限の供給を維持でき、顧客との信頼関係や企業の信用を守ることができます。

Q. BCP対策を導入すると、どのようなメリットがありますか?

A. 災害時の被害を最小限に抑えるだけでなく、日常業務の効率化・経営体制の強化・人材育成・ESG評価の向上といった効果が期待できます。

特に物流業界では、「止まらない物流」を提供できる企業が取引先から選ばれやすく、BCPが新たな競争力となりつつあります。

Q. BCPを策定していない場合、どんなリスクがありますか?

A. 物流の停止による納期遅延や欠品、契約解除などの直接的損失に加え、顧客からの信頼失墜や従業員の安全確保不足、復旧コストの増大など、長期的なダメージに発展する可能性があります。

またBCPを整備している企業は「危機に強いパートナー」として評価される傾向があり、策定の有無が取引判断に影響するケースも増えています。

まとめ

BCPは、災害や事故などの緊急時に事業を止めず、早期に復旧させるための備えです。

企業が安定して活動を続けるうえで欠かせない取り組みであり、とりわけ社会インフラの中核を担う物流業界では「止まらない仕組み」をどう構築するかが経営上の重要なテーマとなっています。

さらに近年では、BCPを単なる“守りの仕組み”にとどめず、競争力を高める戦略的な取り組みとして捉える企業が増えています。

非常時にも納期や品質を維持できる体制は、顧客や取引先からの信頼を高め、他社との差別化やサステナビリティ経営にもつながります。

BCPの策定は、リスク回避だけでなく、「選ばれ続ける企業」になるための投資なのです。

Loogiaは、こうした戦略的なBCP策定を支援するパートナーとして、輸配送最適化の知見を活かし、企業の現場に寄り添いながら課題整理や改善提案を行っています。

形式的な計画づくりではなく、実際に機能するBCP体制を構築するための伴走支援を通じて、「止まらない物流」の実現をサポートします。

自社のリスクを可視化し、強い物流体制を築くために、ぜひ一度ご相談ください。

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