動態管理システムの活用で配送の見える化を!活用メリットや比較検討のポイントを紹介

  • 物流事業者向け

動態管理システムとは、車両や配送状況をリアルタイムで追跡・管理するためのITシステムのことを指します。動態管理システムを導入することで、配送業務の効率化や品質向上へとつながる多くのメリットを得ることができます。当記事では、動態管理システムの主な機能や種類、導入のメリットや比較のポイントなどについて詳しく解説いたします。

動態管理システムとは?

動態管理システムとは、GPSなどの位置情報技術を活用し、車両の現在位置や配送状況をリアルタイムで把握、管理するためのITシステムのことを指します。動態管理システムを導入することで、業務効率の向上やドライバーの負担軽減、コスト削減など多くのメリットを得ることができます。
システムの活用により、管理者がオフィスに居ながら各車両の位置情報の確認や走行距離・稼働時間の管理、到着予想時間や遅延状況の把握などを行うこともでき、不測の事態が発生した場合にもドライバーに適切な指示を行うなど迅速な対応が可能となります。また、システムによっては走行データやドライブレコーダーの映像を記録・分析することもでき、業務のムダの削減やドライバーへの運転指導に活用するなど、業務効率の改善も期待できます。

かつては、動態管理システムの導入に大掛かりな車載装置が必要であり膨大な手間やコストがかかることから、多くの企業がシステムの導入を困難としてきました。しかし近年では、クラウドサービスの浸透やスマートフォン、タブレットの普及などにより、システムに必要な車載器を簡単に設置できるものやスマートフォンのみで利用可能なサービスも増加しており、以前と比べシステムの導入に対するハードルが低くなりました。そのため、現在では物流・製造・建設業界をはじめとする多くの業界で、動態管理システムの活用が広がっています。
物流業界においては、2023年6月に経済産業省・農林水産省・国土交通省により「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」が公表され、持続可能な物流の実現に向けた取り組みが急務とされています。このような中で、動態管理システムは取り組みの推進に必要不可欠である、配送の見える化や自社物流の現況把握を可能とする有用な手段として注目されています。

下記の記事では、「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に関連したオンラインセミナーの内容をご紹介しております。こちらもぜひご覧ください。
「【セミナーレポート】<前編> 徹底解説!物流政策パッケージの最新動向とその対応策」https://www.loogia.jp/column/eventreport8/

動態管理システムの主な機能と種類

動態管理システムの主な機能と種類

動態管理システムの主な機能

動態管理システムの主な機能としては、以下の5つが挙げられます。
ただし、システムにより細かな機能は異なるため、導入を検討する際はまず自社の課題を明確にし、改善に効果的な機能を備えたシステムを選択することが重要です。

①位置情報の把握

車両に搭載したGPSデバイスにより、車両の正確な位置情報をリアルタイムで把握することができます。車両の現在位置や走行距離、待機・滞留地点などの走行内容が可視化されることで、各車両の運行状況の把握が容易となります。

②走行データの記録

走行ルートや走行距離、運転時間、滞在場所など走行データを自動で記録・蓄積することが可能です。蓄積したデータを基に業務効率化に向けた分析やルート作成などに活用することもできます。

③運転日報の自動作成

各車両の走行データを基に運転日報を自動作成する機能です。データの保存や管理を自動的に行うことができます。

④ドライバーの勤怠管理

走行データを基にドライバーの勤怠管理をより正確に行うことができます。日々の勤怠だけでなく、月単位・年単位で各ドライバーの労働時間や拘束時間、休憩時間、残業時間などを確認することもできます。

⑤異常検知

遅延が予測された際や一定時間の車両停滞・計画と異なるルート走行などが検知された際に管理者へ通知が送られる機能です。また、急加速・急ブレーキ・急発進など危険運転を検知した際もドライバーや管理者へアラートが送信されます。

動態管理システムの種類

動態管理システムには、「OBD-Ⅱポートタイプ」「カーナビタイプ」「アプリタイプ」「シガーソケットタイプ」「ドライブレコーダータイプ」などさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なるため自社に合うものを選択する必要があります。

動態管理システムの活用メリット

動態管理システムを活用することで得られる最も大きな効果は、配送業務の見える化が可能となることです。車両の現在位置や走行距離、待機・滞留地点など走行内容が可視化されることで、各車両の運行状況を迅速かつ正確に把握することができます。そのため、急な集荷依頼があった場合や、渋滞や事故など不測の事態が発生した場合にも即座に適切な対応が可能となります。
また、システムにより走行データの記録・分析が可能となることで、走行時の無駄や車両ごとの生産性なども把握することができ、業務効率の改善やコスト削減へとつながります。走行データを基に運転日報の自動作成も可能となるため、ドライバーの日報作成にかかる手間や時間を大幅に削減することもでき、労働時間の短縮やコア業務への集中へとつながることも期待できます。さらに、ドライバーの勤務状況をシステムによりデータ化することで、より正確な把握が可能となり、長時間労働への対策や働き方改革の取り組みへと活用することもできます。

くわえて、動態管理システムにはドライバーの運転傾向を分析する機能もあり、その結果を基にドライバーの運転特性を評価することで安全運転の促進や教育に役立てることができます。さらに、急ブレーキや速度超過などの運転データと走行ルートのデータを掛け合わせることで、運転に影響を及ぼす危険な箇所を可視化することもでき、そのリスクを社内で共有することで事故発生を未然に防ぐ効果も期待できます。

動態管理システムをアプリタイプで運用するメリット

動態管理システムにはさまざまな種類がありますが、ここではアプリタイプの運用で得られるメリットを4つご紹介します。

管理者側のメリットとして、アプリタイプの動態管理システムではスマートフォンやタブレットなどモバイル端末を使用するため、外出先などオフィス外でも情報の確認や指示が可能となります。納車したばかりの新しい車両を使用する場合にも、専用端末を車両に取り付ける必要がないため、設置の手間なくすぐにシステムを利用できます。また、既存のモバイル端末を使用することで、導入にかかるコストを抑えることもできます。ほかにも、アプリタイプでは操作画面がシンプルになっているものが多く、システムに不慣れなスタッフでも直感的に操作することが可能です。トラックの位置情報や走行ルートの確認、完了報告などさまざまな機能をワンタップで操作できるのもアプリタイプの利点であるといえます。

動態管理システムを比較検討する際のポイント

先にも述べたように、動態管理システムにはさまざまな機能や種類があり、自社に適したシステムを選択することが重要となります。ここでは、システムの機能や種類といった点以外にも、動態管理システムを検討する際に重要となるポイントについて5つご紹介いたします。

①位置情報の精度と取得頻度

動態管理システムには車両の位置情報をリアルタイムで取得する機能がありますが、位置情報の精度や車両情報を取得する頻度はシステムによって異なります。位置情報の精度が高く、高頻度で情報の取得が可能なシステムを導入することで、より正確な動態管理が可能となり、配送効率向上や業務最適化へとつながることが期待できます。

②システムの操作性

システムの操作性も重要なポイントとなります。システムを選択する際は、直感的な操作が可能かどうか、管理者とドライバー双方にとって使いやすいシステムであるかを確認することが必要です。誰もが使いやすいシステムを選択することで、操作方法を習得するための時間やコストを削減することもでき、システムの導入がより円滑に進みます。

③費用対効果

動態管理システムの選択にあたっては、初期費用や運用費用などシステムの利用に伴うコストはもちろんのこと、費用対効果を考えることも重要です。システムの利用に伴うコストは、システムの種類や機能、プランによっても大きく異なります。導入にかかるコストと得られる効果を比較し、そのメリットを見据えた上でシステムを選択する必要があります。

④セキュリティ対策

走行データには車両の位置情報や運行状況など企業の機密情報が含まれるため、適切なセキュリティ対策が求められます。データの保管方法やアクセス権限の設定、不正侵入検知の有無、アップデートの頻度などセキュリティ面を事前に確認しておくことが重要です。

⑤導入サポートやアフターサポートの有無

システムを円滑に導入し、安定的に運用していくためには、充実したサポート体制の有無が重要なポイントとなります。
システムを構築していく過程では、まず前段階としてどのようなオペレーションにしていくか十分に検討を重ね、構想を練っていく必要があります。その上でシステムデザインやオペレーションデザインを構築し、双方をきちんと合わせる形でシステムの導入へとつなげていかなくてはなりません。また、既存システムとの連携を考慮しなければならないケースではシステムの受容性を確認しながら導入を進めていく必要があります。システムの導入に至るまでにはこうした複雑なプロセスがあるため、円滑に導入を進めていくためにもサポートが手厚いシステムを選択することが重要です。
さらに、システムは導入して終わりというものではありません。運用していく中で新たに問題や課題が見えてくることもあり、改修や機能の追加などが必要となる場合もあります。長期にわたって安定的な運用を続けていくためにも、導入サポートだけでなくアフターサポートも充実したシステムを選択することが重要であるといえるでしょう。

分析機能を備えた動態管理システム「Loogia 動態管理」

「Loogia 動態管理」の特徴

弊社では動態管理の基本的な機能だけでなく、分析機能も備えた動態管理システム「Loogia 動態管理」を提供しております。
配送の進捗確認をリアルタイムで行うことができ、配送の実績データの取得や可視化が可能となります。また、収集したデータを分析することで定量的に課題を特定することができ、配車計画のさらなる改善が実現します。

「Loogia 動態管理」の機能

「Loogia 動態管理」には「動態管理機能」と「分析機能」の2つの機能があります。

動態管理機能

「Loogia 動態管理」では使いやすさを追求した機能を備えており、ドライバー向けモバイルアプリとリアルタイム配送進捗管理により、日々の運行管理を大幅に効率化させることができます。
ドライバー向けモバイルアプリを活用することで、配送のデジタル管理が可能となり、紙に頼らず配送計画を把握することができます。配車結果はリアルタイムでアプリに連携されるため、各配送先への到着予定や休憩時間、帰着予定時間の確認も即座に行うことができます。アプリにはナビゲーション機能も備わっており、ボタンひとつでナビが起動し、慣れない道での運転をサポートします。また、作業進捗管理機能により、ドライバーは配送先への到着時や作業終了時にボタンを押すだけで作業の進捗報告を完了させることができます。配送完了時の状況写真をアップロードすることもできるため、ドライバーが現場で撮影した写真を各種業務に紐づけ登録することも可能です。
配送進捗管理機能では、管理者側がリアルタイムで車両の位置情報や配送状況を確認することができ、渋滞や事故など不測の事態が発生した場合や急な計画変更が生じた場合にも迅速に対応することが可能となります。

分析機能

「Loogia 動態管理」は配車システムと物流改善のシナジーを最大化する分析機能「Loogiaアナリティクス」を備えています。走行の実績データを蓄積し、実車率・積載率・遅配率・作業完了率などの各種指標について可視化し、予実を分析することで、課題がどこにあり、改善すべき点は何かを明確にすることができ、改善効果の高い打ち手を優先的に投下することが可能となります。「Loogiaアナリティクス」を活用することで、物流改善のPDCAを効果的かつ継続的に回し続けることができ、業務改善とコスト削減の両立が実現します。

「Loogia 動態管理」の活用で実現できること

集計・報告・決定の時間を短縮

「Loogia 動態管理」を活用することで、「集計・報告・決定」の時間を短縮することができ、配車計画の見直しや改善サイクルの加速が可能となります。

「現場」の見える化が可能に

配送計画や訪問先情報と併せて実績を取得することで、予実の観点も加味した現場の見える化が可能となります。実働率・積載率・遅延率・作業完了率など主要指標も自動計算されるため、複雑なデータも手間をかけずに可視化することができ、迅速かつ的確に意思決定を行うことができます。
また、定量的な共通指標があることで、荷主と物流事業者との間にあった課題感や目標に対するズレが是正され、両者が一体となり改善の取り組みを進めることが可能となります。

まとめ

当記事では、動態管理システムの主な機能や種類、導入のメリットや比較のポイントなどについて、弊社サービスの紹介も含めて解説いたしました。

動態管理システムを活用することで、業務効率化、生産性向上、コスト削減、事故防止など多くのメリットを得ることができます。自社の目的に合う適切なシステムを選択し、長期にわたって安定的な運用が可能な仕組み作りを行うことも重要です。

弊社では、分析機能を持ち合わせた革新的な動態管理システム「Loogia 動態管理」を提供しております。配送の進捗確認をリアルタイムで行うことができ、配送の実績データ取得や可視化が可能となります。また、収集したデータを分析することで定量的に課題を特定することもでき、配車計画のさらなる改善が可能となります。
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

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