
近年、物流業界はEC市場の急拡大やサプライチェーンの複雑化に伴い、物量増加や人手不足、コスト高騰など多くの課題に直面しています。これらのソリューションとして要となるのが「API」です。
この記事ではAPIの概要や連携のメリット、既存システムとの連携例を解説しています。
APIを活かして物流DX、業務効率化を推進するためにおすすめのサービスもご紹介していますので最後までご覧ください。
APIとは
API(Application Programming Interface) とは、異なるソフトウェア同士がデータや機能をやり取りするための仕組みを指します。簡単に言えば、システム間の“共通語”のようなものです。
たとえば、ECサイトで受注した情報を倉庫管理システム(WMS)に自動で送信したり、配送会社のシステムからリアルタイムで荷物の追跡情報を取得したりできるのはAPIのおかげです。
従来はCSVやEDIを使って一定量のデータをまとめて処理する方式(バッチ処理)が中心でしたが、APIならリアルタイムで双方向にデータ連携が可能です。
そのため「必要な機能を必要な時にシステムに組み込む」ことができ、物流業務の柔軟性やスピードを大幅に向上させることができるのです。
物流業界で活用されるAPIの代表的な機能
物流業界でAPIが活用されるシーンは多岐にわたりますが、ここでは代表的な物流APIの機能を3つご紹介します。
1. 配送追跡API
荷物番号をAPIに渡すと、集荷済み/輸送中/配達完了といった配送ステータスがリアルタイムで返ってきます。
ECサイトや顧客向けアプリに組み込めば、購入者が配送状況を即時に確認でき、カスタマーサポートへの問い合わせ削減にもつながります。
2. 在庫照会API
倉庫にある在庫数をリアルタイムで取得・更新できます。出荷や返品のたびにデータが自動で反映されるため、「在庫切れの商品を販売してしまう」といったミスを防止できます。
ECサイト、販売管理システム、WMS(倉庫管理システム)などと連携することで、在庫の可視化はもちろん、精度の高い調達計画立案等にも活かせます。
3. 運賃見積もりAPI
発着地・重量・サイズなどの情報を入力することで、運賃を算出できます。複数の物流事業者の料金比較も可能です。
企業はシステム上で最適な配送コストを瞬時に選択でき、物流コスト削減や対顧客の適切な料金設定につながります。

物流にAPIを導入するメリット
APIの導入は、単なるシステム改善にとどまらず、物流DXを加速させる大きな一手となります。ここでは、代表的なメリットを4つご紹介します。
1. 業務効率化とコスト削減
APIを活用すると、在庫引当・ピッキング・配車といった物流業務を一気通貫で自動化・効率化できます。
結果として、作業時間の短縮・人件費や燃料費の削減・在庫回転率の向上といったコスト最適化につながります。
2. ヒューマンエラーの削減
従来のEDIやCSV連携では手入力やバッチ処理が多く、誤配送・重複登録といったヒューマンエラーが発生しがちでした。
APIでのリアルタイム連携なら、システム間で直接データを受け渡すため、入力ミスやタイムラグ由来のトラブルを避けられます。
これは返品コストや配送トラブルの削減にも直結し、業務品質の向上に寄与します。
3. サプライチェーン全体の可視化
サプライチェーン全体を横断的に可視化するためにもAPIは必要です。
従来は在庫管理や配送管理、基幹システムなど情報がシステムごとに分断されていました。APIを活用すれば、これらをリアルタイムでつなぎ合わせ、仕入先からの入庫予定、倉庫内の在庫状況、輸送中の荷物のステータス、そして販売データまでを一気通貫で把握できます。
その結果、どの倉庫から出荷すれば効率的か、需要の変化にどの拠点で対応すべきか等を考慮し、コストやCO₂排出量を抑えながら最適な配送計画を立てられるようになります。
4. 顧客満足度の向上
APIを利用すれば、配送状況をリアルタイムに顧客へ通知したり、正確な配送料を即時に提示することができます。
購入者にとって「今どこに荷物があるのか」が可視化されることは大きな安心材料となり、顧客体験の向上につながります。
顧客対応コストを抑えつつ、リピーター増加やブランド価値向上にもつながるでしょう。
APIと既存システムの連携
APIの大きな強みは、既存の基幹システムとスムーズに連携できる点にあります。
物流業界では倉庫管理システム(WMS)、輸送管理システム(TMS)、基幹業務システム(ERP)といったシステムが広く使われています。
これらのシステムはそれぞれが物流業務の一部を担っていますが、単体で全体最適を実現することは難しいのが現状です。
ここにAPIを組み合わせることで、分断されがちな情報をリアルタイムでつなぎ合わせることができます。
例えば、WMSとのAPI連携により入出庫や在庫、ロット情報などをリアルタイムで更新することで、在庫を適正に管理し欠品や在庫過多を防ぎます。
またTMSでは配送依頼、集荷結果、運賃見積もりなどのデータと連携することで、配車計画や運賃管理を効率化できます。
さらにERPと連携すれば、出荷実績や仕入・返品、請求データなどの情報を一連に管理することができます。これは仕訳の自動化や請求業務の効率化、在庫切れや二重販売の防止、発注の最適化等につながります。
このように、今後物流事業者が成長し続けるためには、WMS・TMS・ERPなどの既存システムとAPIを組み合わせ、全体最適を推進していくことが重要です。

API連携も可能な配車システムはLoogia
物流において「配車計画」は、業務効率やコストに直結する重要なプロセスです。
しかし従来の配車システムは、API連携によって外部システムからデータを取り込めても、現場特有の制約条件(時間指定、車両容量、積載制限など)を十分に考慮できないという課題がありました。
そこで、基幹システムなどの各システムとAPI連携し、取り込んだデータを一元管理し現場の制約に即した形に加工できる「Loogiaコネクト」を開発しました。
成形したデータをもって自動配車システム「Loogia」を利用することで、従来システムでは難しかった高精度な配車計画を可能にし、業務工数を大幅に削減しながら、配送時間の短縮や車両稼働率の最大化を実現できます。
配車システムを検討している企業にとって、「APIで既存システムとつながるかどうか」は重要な選定基準です。
Loogiaは、WMS・TMS・ERPなどの既存システムとスムーズに連携しながら、物流DX推進の強力なパートナーとしてご利用いただけます。
詳しくはこちら:https://loogia.jp/column/loogiasolution3/
物流業界のAPIに関するQ&A
Q1. 物流APIとEDIやCSV連携は何が違いますか?
従来のEDIやCSV連携は、1日数回のバッチ処理が中心で、データ反映までにタイムラグがありました。
これに対し、物流APIはリアルタイムで双方向通信が可能です。たとえばECでの注文が確定すると同時に倉庫システムに出荷指示を飛ばし、配送業者のシステムに集荷依頼を送るといったことが即時に行えます。
Q2. WMSやTMSとはどう連携できますか?
WMSは在庫数やロット情報、出荷確定データと連携できます。
またTMSでは配送依頼や運賃見積もり、集荷結果といった情報の連携が可能です。
それぞれのシステムでの重複や不整合を防ぐために、どのデータをどのシステムから取得するかは明確に整理するのが重要です。
Q3. 物流APIのセキュリティは安全ですか?
APIは便利な一方で、外部と接続する以上セキュリティ対策が不可欠です。
基本的には認証キーやアクセス制御、二要素認証、通信の暗号化などを導入し、安全性の高い設計になっています。
ただし運用面でも、パスワード管理の徹底や権限設定の最小化、API提供ベンダーの保守体制のチェックなどの対策をおすすめします。
まとめ
物量の増加や人手不足、コストの高騰など多くの課題に直面している物流業界において、これらの課題解決の要となるのが「API」です。
APIによって、異なるシステムに存在するデータや機能をスムーズに連携し、物流業務の柔軟性やスピードを大幅に向上させることができます。
その一例が自動配車システム「Loogia」との連携です。既存システムとAPI連携し、取り込んだデータを成形することで現場の制約条件も加味した高精度の配車計画を作成することが可能です。
こうした取り組みに関心をお持ちの方はぜひ気軽にお問い合わせください。

